ホントは怖いコンパスエラー

DJI GS Proの自動飛行でとても怖い思いをしましたので、対策方法を考えてみました。

ある工場地域で空撮をした際に頻繁にコンパスエラーが発生しました。
その意味を理解せずにコンパスエラーが発生する地点でキャリブレーションをしてしまいました。
何度もキャリブレーションが失敗するので、成功するまでやってしまいました。
その後自動飛行を実行すると、Phantom4はあさっての方向に飛んでいってしまいました。

これは、コンパスエラーの意味を理解していなかったために、致命的なミスを重ねてしまった例です。

コンパスエラーが発生する状況を理解していなかったことで、その場でキャリブレーションをしてしまいました。その為狂ったコンパスになりました。コンパスが狂った状態で自動飛行を実行したため、機体が方角を誤認しGPS座標との補正ループで暴走に至りました。

コンパスエラーが発生した時は特に慎重に行動しましょう。

コンパスエラーが発生した時は、一旦その場から離れてエラーが消えるかどうか確認してください。
場所を変えてエラーが消える場合は、発生場所の電磁波が乱れています。
コンパス(方位磁石)は地磁気とか静電磁界と呼ばれる磁界に反応します。
地磁気はSとNが固定で方向が変化しないので、直流と同じ静電磁界(周波数0Hzの電磁界)です。
周囲が鉄だらけだったり、近くに強力な電磁波を発生する機械が稼働していたりするとコンパスが妨害されます。

また、Phantom4に組み込まれているコンパスセンサーは、強い高周波によっても妨害されてしまいます。今回のコンパスエラーは強い高周波のために発生したものと思われます。高周波の影響範囲から離れて妨害が無くなれば正常に戻りました。

確認方法の1つとして、アナログの方位磁石を持って歩きまわります。
同時にスマホのコンパスアプリを使うと磁界強度が表示されます。国内平均は45μTと言われていますので、かけ離れていないか確認します。
パワースポットや心霊スポットでは方位磁石が北を示さないことが多々あるそうです。
それでも上空では状況が異なるため、決定的なチェック方法にはなりません。

問題の現場でスマホのコンパスアプリを起動して確認したのが次の写真です。

磁界強度は44μTなので、地磁気の乱れはなさそうです。

もう一つの方法として、EMFメーターで確認したのが次の写真です。

周囲数十mに何もない場所で高周波に反応しました。
グラフの高い部分では200μW/m2台を測定しています。
200μW/m2台という数値自体は大したレベルではありませんが数値が問題ではなく、今回使用した(かなり安物の)EMFメーターは発信源にほぼ接触するくらい近づけないと受信できないほどの感度でして、その低感度なメーターが周囲数十mに何もない場所で高周波を計測するということが異常な現象と考えられます。電磁波は発信源から距離の2乗に反比例して減衰しますので、尋常ではない強度の高周波が周囲を漂っていることが推測できます。

ここまでの結果を見ていただいて、慌ててEMFメーターなどを買う必要はありません。
ここで進言したいのは、Phantom4を始めとしたDJIのドローンに搭載されているセンサーは非常に高感度・高精度で信用に値するということです。ドローンを手に持って隅々まで歩き回り、エラーが表示されたときは、無視しないで対応策を考えましょう。当然飛行中も注意を怠らないように。

このようなチェックの結果、どうも怪しいと感じた場合は勇気を出して飛行を中止してください。

 

ここで、コンパスキャリブレーションについて考えてみます。

最も一般的な考え方は、マニュアルにもあるように
”前回飛行した場所と異なる場所では必ずコンパスキャリブレーションを実行する”
という考え方です。

やはりこの考えが全てのベースになると思います。

次は否定的な考え方で
”中国やアメリカのような大陸とは異なり、日本のような狭い国土では毎回コンパスキャリブレーションを実行する必要はない”
さらに
”狭い日本ではコンパスキャリブレーションに適した場所が少なく、誤ってキャリブレーションされる可能性が非常に高い”
というものです。

この否定的な考え方は、私の経験上とても腑に落ちるもので、個人的にはかなり傾倒しています。

ただ、ドローンの飛行において、一方的に偏った考え方は非常に危険なことで、臨機応変ケース・バイ・ケースに対応することが重要になります。コンパスキャリブレーションは、実際の飛行場所を観察してやるべきかやらないべきかを判断できるようにしましょう。
少しでも精度が上がって欲しいと期待する時は、自動飛行の直前でしょうか。

パイロットの皆様には慎重に考えていただきたいと思います。

 

国交省の事故情報を見ると、”操作不能”という理由が非常に多く、ホントかいな?と疑いたくなります。
”無線”という目に見えない物を扱うため、どうしても腑に落ちない状況で事故が発生しているものと思われます。正直なところ墜落した際の原因はよくわからないのだと思います。

空中や生活空間には静電磁界だけでなく、家庭用電源のための50Hz/60Hzの「超低周波電磁界」(商用周波電磁界やELF電磁界とも呼ばれる)、ICタグやAMラジオ等の「中間周波電磁界」(IF電磁界とも呼ばれる)、TV・FMラジオ・携帯電話・電子レンジ・Wi-Fi等の「高周波電磁界」(無線周波電磁界やRF電磁界とも呼ばれる)とさまさまな電磁界に覆われています。
困ったことにこれらを可視化するスペアナは周波数によって対応機器が異なっており、非常に高額なため導入が困難です。
私は仕事柄、Wi-Fiスペアナは所有しているので、Phantom4が使用する2.4GHz帯のチェックをして問題ないと思っていましたが、実は大きな間違いであることを教わりました。

無線通信は周波数が異なれば混信はしません。これは間違いないそうです。
ところが周波数が異なっても、近くで圧倒的に高出力な電波が送信されていれば、Phantom4本体やプロポの受信器が異常をきたして、本来の送受信に支障となるのだそうです。理屈は、無線はアンテナで電流に変換されるのですが、対応周波数であろうとなかろうとアンテナが受信した電波は電流に変換され、許容を超えた電流が受信機に流れれば当然壊れるということだそうです。

専門用語では「感度抑圧」と言うそうですが、私は専門ではないので色々と表現が正確ではないと思いますがご了承願います。真偽については各々お確かめください。

そうすると、一体どんな対策を講じれば安心して飛ばせるのでしょうか?

現時点での結論は、墜落するのを前提に、被害を最小限に留めることを意識して飛ばすしか無いようですね。

 

とは言え、無抵抗で墜落するのもシャクだと思って
EMFメーター TENMARS TM-190 を買ってみました

今回、問題の現場で使用したものです。

業務用のちゃんとしたやつは高くて手が届きません。これはオモチャみたいなものでしょうが、どこまで使えるかは定かではありませんが、ちょっと持ち出してみます。安物買いの銭失いになりそうで怖い。

本体に張ってあるシールには以下のようなスペックが記載されています。

電磁波: 20/200/2000mG 又は 2/20/200μT (50/60Hz)
電界: 50V/m to 2000V/m(50/60Hz)
高周波: 30mV/m to 11.00V/m(50MHz〜3.5GHz) ※単位は μW/m2,μW/cm2,mV/m,mA/m,dBm に切替可能

スマホに近づけると、

高周波に強く反応しています。警報アラームが鳴るレベルです。ただし10cmも離せば激減します。

太陽光発電システムのパワコンに近づけると、

地場に若干反応があります。これも少し話せば反応はなくなります。

無線LANルーターに近づけると、

高周波が振り切っています。流石に強烈です。2m以上離れると弱くなります。

動作中の電子レンジに近づけると、

磁場と高周波が反応しています。2.4GHzの無線LANを妨害するというのはこういうことなのでしょう。ワンルームだと影響は大きそうです。

変電所に近づけると、


かなり粘りましたが、ほぼ反応なしでした。トランスはしっかりシールドされているものと思われます。また、高圧線からの漏れについては地表面付近では減衰しきっていて人体に影響するレベルにはないということが推測できます。
とはいえ、電柱のトランスや高圧線にはドローンで近づかないほうが賢明と思われます。

どうやら悪あがきには使えそうです。

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