I-Vカーブ測定をしてみました(その1)

太陽光パネルのI-Vカーブ特性というのが、いまいち曖昧で腑に落ちないので、手持ちのパネルを使って、色々なパターンでどのように変化するのか、データ取りをしてみたので公開していきたいと思います。

まだまだ素人レベルなので、皆様の参考にはならないと思いますが、自分用の記録が主目的ですのでご容赦願います。
使用するのは PROVA 1011A というI-Vチェッカーです。

メジャーブランドのメーカー品と比べると、3分の1程の価格ですが、個人で使用するにはなかなか良い製品だと思います。
最大 1000V 12A まで対応しているので性能は十分です。
後は確度と耐久性が使い物になりそうか、様子を見ながらといったところです。

事業として成り立ちそうであれば、ブランド品の HIOKI FT4300 か、管理ソフトが秀逸な 新栄電子計測器株式会社 IVH-2000Z 辺りにグレードアップしてバリバリ計りたいです。

<PROVA 1011A について>
長所は、
・安い!!
・放射照度計+温度計が付属しているのに 安い!!
・オプションでACクランプとDCプローブを追加することで、パネルからの直流電流とパワコンからの交流電流を、これ1台で計測できるのに 安い!! (絶縁抵抗までは測定できないので、必要であれば別途用意してください。)

短所は、
・本体液晶がモノクロ
・作りがチープ
・1画面に表示できるのは1計測データのみ(ソフトウェア上でも1計測データのみ)
・パソコンにデータを取り込むソフトがしょぼい
・本体操作の反応が遅い

といったところで、ダイレクトに価格が短所に反映されています。
付属のワニ口クリップがでかいので、絶縁抵抗計用の差し替えリードピンヘッドを買っておくのがおすすめです。
測定データはCSV形式で取り込めるので、Excelに変換してデータを散布図にすると、ExcelでI-Vカーブを表現できます。
CSVデータから、1測定に付き149点サンプリングしていることがわかります。価格が倍以上の計測器でも100点サンプリングだったりするので上等です。
特筆する点は、この価格なのに、パネルのパラメータを設定して、STC(Standard Test Conditions)換算してくれる機能があることです。
ただ、色々テストしてみて、STC換算による判定はあてにならないような気がしています。

 

今回のテストパネルはアマゾンで調達した ECO-WORTHY 100W L02P100N-1 (ICO-SPC-100W) というパネルです。

届いたパネルの裏に貼ってある仕様がアマゾンの商品紹介写真と異なっていたので、温度係数はアマゾンの写真から採用しました。

アマゾンから拝借した写真

本体背面の写真

 

パネルのパラメータを設定する画面はこんな感じ

パラメータの意味:
Module: 設定値の識別用に任意入力
Nms: 測定ストリングの構成枚数
Pmax: パネルの仕様より入力
Voc: パネルの仕様より入力
Isc: パネルの仕様より入力
Vpm: パネルの仕様より入力(Vpmax,Vmp,Vmと同じ)
Ipm: パネルの仕様より入力(Ipmax,Imp,Imと同じ)
Area: パネルの表面積
Toll+: Pmaxの正の許容差
Toll-: Pmaxの負の許容差
Alpha: Iscの温度係数
Beta: Vocの温度係数
Gamma: Pmaxの温度係数
K: Rsの温度係数

さてここで問題が。
許容差や温度係数について、パネルメーカーは公表していません。
表面積についても、全体の面積ではなく、セルの面積を合計したものの方がより正確ではないかと思われます。
パネルメーカーの代理店になれば教えてもらえるかもしれませんが、それでは困ります。
正確にSTC換算して評価するためには、I-Vチェッカーの問題ではなくて、このパラメータを正確に設定する必要があるので、前述した通り ”あてにならないなぁ” と思うようになった次第であります。

それよりも、実測データを読み取るノウハウのほうが重要になると思います。

では実測!

当日は雲が多く、晴れたり曇ったりの不安定な日照条件でした。

一番曇っている時で 200W/㎡程度、一番晴れている時で1000W/㎡程度。
放射照度の違いごとにデータを取ってみました。

放射照度 264 W/㎡

なんと! STC OK
これなら曇りの日でも点検できるかも! と、このときは期待に胸を膨らませましたが、

 

放射照度 398 W/㎡

残念ながら STC NO OK
スペックからだいぶ離れてしまいました。以後OKが出ることはありませんでした。

放射照度 480 W/㎡

放射照度 505 W/㎡

放射照度 642 W/㎡

放射照度 674 W/㎡

放射照度 724 W/㎡

放射照度 740 W/㎡

突如変なカーブを描きました。
1回計っただけの計測値を鵜呑みにすると誤認するので注意が必要です。

放射照度 811 W/㎡

放射照度 856 W/㎡

放射照度 864 W/㎡

グラフをよく見ると、計測によってはIV曲線の水平部分が落ち込んでいる事があります。
放射照度 740 W/㎡のときが極端な例です。
水平線の傾きが大きくなる場合は、理論上並列抵抗が低下した場合です。
測定により異なるということは、私が持っていたテストピンのプラス・マイナスが近すぎた時があったかもしれません。
次回以降この点に気をつけたいと思います。

このようにSTC換算は非常にナーバスな結果になる事がわかりました。
あとでパネルをFLIR ONEで撮影してみると、温度分布が一様でないことがわかりました。
温度センサーをどこに貼り付けるかによって温度が変わるとなれば、STC換算には大問題となります。

太陽光パネルの状態は、一発点検では判断が難しいようです。
重要なのは健康診断と同様に、新築時に最良の状態を詳細に記録しておき、定期的に状態を観察・測定して、傾向を分析することで正確な判断が出来るのでは無いでしょうか。

追記:
なんと、パラメータのGamma係数が間違っていました。。。
メーカーのホームページで同出力のパネルの仕様を見ると、Alpha係数も違うみたいです。
申し訳ありません、後日全て再計測したいと思います。

カテゴリー: eco, 太陽光発電 パーマリンク