GPSによる座標を記録することが出来ないか依頼がありましたので、色々と調べてみた結果「Bad Elf GPS Pro+」に行き着きましたので、どんな物かご紹介いたします。
ラズパイで作ってみては? というご意見もありましたが、細かいパーツを揃えて組み立てていくと、結構なお値段になってしまい、開発期間も見当が付かないため却下。
やはり、Windowsかタブレットが使える既製品に勝るものはないと考えまして、GPS製品を物色したところ、「Garmin GLO Add-on GPS Receiver」という製品をAmazonで発見。ハンディGPSで有名なメーカーですね。ところがメーカーの日本サイトを見るとそんな製品ありません。よくよく確認すると、どうやら技適を取っていないらしく、Amazonでは並行輸入品として販売しているようです。この製品は無線(ブルートゥース)を使用するので、日本国内で使用するためには技適が必要となるため、国内で使用すると電波法違反になります。いい加減Amazonもこういう違法な製品の対応を考えてほしいものです。
Garminの日本サイトを探すと「GPS18xUSB」という製品を発見しました。一般的にGPSロガーとパソコンを接続する時はシリアル通信を使用するらしいのですが、この製品はお手軽にUSB接続出来て、「仮想COMポートドライバによりNMEA-0183プロトコルが使用可能」になるとのこと。早速購入してテストしましたが、常にノートパソコンと接続して持ち歩かないといけないため、思った以上に不便でした。実際のところ活躍する場面は無いでしょう。。。
製品選定のやり直しとなりまして、困った時のAmazon頼みで探してみると、「HOLUX M-241」、「Bad Elf 2200(GPS Pro)」、「Bad Elf 2300(GPS Pro+)」の3製品に辿り着きました。知識がなく、どれを選んだ良いのかわからなかったのですが、このような時は「買える範囲で一番高いものを選べ」という大先輩からの教えを守り、「Bad Elf 2300(GPS Pro+)」を購入しました。
やはり正解で、2200との決定的な違いは
・電池の持ちが良い
・対応する衛星の種類が多い
・パソコンにUSB接続すると外部メモリとなり、ログデータをコピーできる
の3点が思いつきます。
「Bad Elf 2300(GPS Pro+)」は基本的に単体で使うのではなく、iPadと連携することで機能をフルに発揮することが出来ます。また、本体設定はロガー単体では出来ないため、設定変更にはiPadのアプリが必須となりますのでご注意ください。今のところAndroid版のアプリは確認できていません。
App Storeから「Bad Elf GPS」をインストールします。
こんな画面で、iPadがインターネットに接続しているとGoogle Mapが表示されます。
初期設定がフィート等のアメリカン仕様なので、単位や表示形式を適切に設定する必要がありますが、このアプリからしか出来ませんので購入の際は注意してください。大事なのでもう一度いいますが、今のところAndroid版のアプリは確認できていません。
そして、肝心の座標記録ですが、これもGARMINと同じように、Windowsパソコンとブルートゥース接続すると、仮想COMポートが作成されて、シリアル通信にてNMEA-0183プロトコルが流れ込んできます。あとは欲しい数値部分を抽出してファイル保存してやればロギングプログラムの完成です。
どれほど信頼性があるか、基準点へ行って測定してきました。
(後々わかったのですが、スマホのGPSでも十分信頼できるほど正確でした)
まずはGPSの注意点ですが、そもそもの仕様を知っておく必要があります。
GPSでは、緯度、経度、標高、時刻を処理するために4つ以上の衛星を補足する必要があります。
衛星から受信器に送られるデータは、25フレームあり、1フレーム=1500bitです。
通信速度が50bpsなので、25フレーム受信するのに750秒=12.5分も必要です。
実際にはそんなに待っていられないので、受信途中で補正計算をして座標を表示しているそうですが、とにかく正確に計測したい場合は、ロガーの電源を入れてから、GPSの受信感度の良い場所で12.5分以上安静にするのが良さそうです。
そして、一度稼働し始めたらロガーの電源は切らないようにしましょう。そのためにも電池の持ちが重要になってきます。
そしてそして、計測時はロガーを置いて、できるだけ人は離れたほうが良いそうです。iPadにブルートゥース接続出来るのはとても使い勝手が良いです。
そんな基礎知識も知らずに慌てて持ち出してテストしたわけですが、以下のような結果になりました。
平和公園の中にある二等三角点
地理院の情報では、
北緯 35°10′05″.9545
東経 136°59′14″.4330
標高 105.00m
しまった 標高をメモるのを忘れた。
この製品はロガーなので、ロギングを開始すると内部メモリに座標を記録し続けるのですが、この日はただ持ち歩いていただけでロギングも何も設定していませんでした。
写真の石の上に置いてメモしました。一度別の場所に移動して、石の上に戻して、、、を3回計測しました。
1回目
北緯 35°10′06″.02
東経 136°59′14″.41
誤差 2.026m
2回目
北緯 35°10′06″.05
東経 136°59′14″.42
誤差 2.961m
3回目
北緯 35°10′05″.99
東経 136°59′14″.53
誤差 2.687m
場所は森の中なので木が邪魔をしてこんなものかなと思ってましたが、もっと慎重に行えば誤差は小さくなると思います。
趣味利用であれば申し分ないと思います。
日進市民会館にある電子基準点(三等水準点)
地理院の情報では、
北緯 35°07′41″.1822
東経 137°02′28″.6283
標高 56.984m
同じように3回計測しました。
1回目
北緯 35°07′41″.18
東経 137°02′28″.64
誤差 0.304m
2回目
北緯 35°07′41″.18
東経 137°02′28″.57
誤差 1.478m
3回目
北緯 35°07′41″.15
東経 137°02′28″.59
誤差 1.387m
なかなかイイ感じじゃないでしょうか。
正確に計測したい時はじっと我慢ですね。