QNAPのNASにSurveillance Stationをインストールして監視カメラのレコーダーにしてみました

監視カメラの録画装置って、お高いですよね。

監視カメラを選ぶ際に、IPネットワークカメラを検討しているならば、QNAPのNASがおすすめです。

注)同軸ケーブルを利用した監視カメラは録画できませんのでご注意ください。

海外製のNAS製品は ”Synology” ”NETGEAR” ”ASUSTOR” と選択肢が増えて喜ばしい限りです。

この中ならどこを選んでも間違いありません。各社の違いは本当にコアな部分で差別化を行っているので、普通は気にしなくて良いと思います。どれを選ぶかは出会い(ご縁)に任せたら良いのではないでしょうか。

欠点は、製品ラインナップが多すぎて初物買いの場合は最初のハードルが高いことと、自分でハードディスクを組み込んで初期設定を行う必要があることです。

NASなんて電源入れた後は放置だろが! という方には国内製品をおすすめします。

しかし、今時のNASはただのハードディクスではありません。

馬鹿にできないほど高機能なサーバーと理解したほうが正しいと思います。

 

今回は実際に提案する必要があったので、”QNAP”について紹介いたします。

海外製4社の最も感心できる点は、下位機種から上位機種のどのラインナップを選んでもOSが同じという所です。

OSが同じということは機能が同じで、出来ることが同じということです。これの何が良いかというと、導入する前に実機でテストをする必要がありますが、操作系に関しては同一機種を使わなくても安物で練習できるということです。性能に関しては計算で推測すれば良いかなと。

 

で、チャチャッと調達したのは”TS-231P”となりました。

先程OSが同じと申しましたが、では何が違うのか

一言でいうと処理能力です。(国内製品はここがショボイ)
・CPU性能: ユーザーが同時に接続できる最大数や、バックアップなどのソフトウェア処理速度に大きく影響します
・メモリ容量: CPU性能に同じ
・ハードディスクベイ数: 最大の記録容量に影響します
・入出力端子: 10GbLAN対応、HDMI出力の有無、最新のUSB規格等々パソコン/サーバーを選ぶ時と同じ基準です

実は、この辺りを理解できるようになると、製品選定が物凄くわかりやすくなり、ほぼ一瞬で2択か3択に絞り込むことが出来ます。

上位機種になると、複数のUSBポートとHDMIポートを搭載しているので、そこにキーボード・マウス・モニタを接続すれば、パソコンレスで操作出来ます。 と言うかNAS上ではQTSというOSが稼働しており、NAS自身がほぼほぼLinuxサーバーなんです。

 

では話を戻しまして、初期設定からNVR(ネットワークビデオレコーダー)として動作するまでをお伝えいたします。

今回の”TS-231P”はモニタ出力がないので、同一LANに設定用のパソコンが必要となります。

”TS-231P”のネットワーク設定はデフォルトでDHCPから自動取得になっています。

以下、DHCPサーバーが稼働しているという環境で進めますのでご了承ください。

 

事前準備:
・NASと設定用パソコンを同一LANに接続します。
・NASのドライブベイは空の状態で電源を入れます。ハードディスクはセットアップの流れで装着します。

 

設定用パソコンからQNAPのホームページに接続します
ユーティリティのページへ進み

 

Qfinder Pro のダウンロードと

 

QVR クライアント のダウンロードを完了しておきます

 

両方をインストールして、Qfinder Proを起動します

注意書きを読んでOKボタンをクリック

 

NASの起動が完了していれば、画面に機種が表示されますので、ダブルクリックすると本体の管理ページに接続できます
下位機種は起動に時間が掛かりますので、気長に待ちましょう

DHCPサーバーが無い場合はこの画面でネットワーク構成を行います。

 

初回接続時は初期設定を行います

 

ハードディスクが空です
とりあえず、日本語にしましょう

この画面の時にハードディスクを装着します。電源が入ったまま装着します。心配ありません。

 

ハードディスクを認識すると初期セットアップを行います
ウィザードに従って設定していきます

 

NASの名前(ホスト名)、パスワードを入力します


セットアップが完了したら、別のシステム管理者アカウントを作成し、既定の「admin」アカウントを無効化することをお勧めします。

 

日時の設定

 

ネットワーク設定

録画サーバーとして運用するためにはスタティックIPの使用をおすすめします。

 

共有サービスの設定

Mac や Linux/UNIX を使用している場合はチェックを入れると共有フォルダにアクセスできます。

 

ディスク構成(ここの自由度と拡張性が秀逸です)
今回は2台のハードディスクをRAID1で構成します

特別な理由がない限り”静的ボリューム”でOKです (少なくとも2ベイではどうしようもありません)

静的ボリューム:
静的ボリュームはストレージプール内で利用できるすべての領域を占有します。最適な読み書きアクセスが得られるように、領域を事前に割り当て、用意します。 静的ボリュームはストレージプール領域をすべて占有するため、同じプール内に複数のボリュームを作成することはできません。

シックボリューム:
シックボリュームは領域の柔軟性と高性能の組み合わせになります。ストレージプールからシックボリュームに割り当てる領域を選択できます。 つまり、同じストレージプール内に複数のシックボリュームまたはシンボリュームを作成できます。 任意のシックボリュームサイズを選択すると、読み書きアクセスの領域が事前に割り当てられ、用意されます。

シンボリューム:
シンプロビジョニングでは、ストレージ領域をもっと柔軟に利用できます。 シンボリュームの場合、ボリュームを作成するとき、物理ストレージ領域が実際には使用されません。物理領域は書き込み割り当てのときにのみ使用されます。 つまり、物理ストレージサイズより大きなシンボリュームサイズをプロビジョニングできます。 同じストレージプール内に複数のシンボリュームを作成できます。 シンボリューム領域の柔軟性に起因し、作業負荷における性能が上がります。

シンポリューム は 仮想ボリューム と表現することもあります。

 

2ベイモデルなので、RAIDは1か0です

 

設定を確認します


間違いなければ「適用」ボタンをクリックします

 

フォーマットが始まります




 

以上で初期設定が完了しました。
電源投入から完了画面まで12分程でした。
Alpine AL-212 デュアルコア 1.7 GHz プロセッサー + 1GB DDR3 RAM構成でストレス無く操作できます。
さすがに再起動にはちょっと時間が掛かります。
Alpine AL-212 の 中身は ARM Cortex-A15 のようです。

 

NASの管理画面(QTS)を覗いてみましょう。

 

ログインします

 

カメラライセンス等が簡単に入手できます

 

スタートガイドを御覧ください 一通り出来ることが紹介されています










スゴイでしょ

 

監視機能も充実しています

 

パソコンのネットワークからは、こんな風に見えます

 

初期セットアップは12分程で終わりましたが、その際クイックフォーマットで完了していますので、実際にはバックグラウンドでゆっくりフォーマットされています。この間に電源を落としても、続きからフォーマット再開されますので心配いりません。

 

コントロールパネルが有るところなどは、完全なるパソコンですね

 

ファイルエクスプローラーも完備されており、国内製品との操作性の差は歴然です

myQNAPcloud

ヘルプセンター

 

NASがインターネット回線に繋がっていれば、App Centerから好きなアプリをインストールして機能拡張ができます。スマホと同じ感覚です。



 

プリインストールされているのは5つ
更新が2つあるので実行します


 

ライセンスは、カメラライセンスが最初から2台含まれています

その他どんなアプリがあるか、ザックリ見ていきましょう

すべてのアプリを並べてみます



改めてカテゴリー別に
バックアップ/同期

クラウドサービスと同期出来てしまいます

Azureにも接続出来てしまいます これは聞き捨てなりません

WebDAVも使えます が、これはサーバーになるのかクライアントになるのか不明です

 

ビジネス

 

コンテンツ管理

Wordpressを入れるとどうなるんでしょうね

 

開発者ツール

 

ダウンロード

 

エンターテイメント

動画や音楽の配信サーバーにもなるみたいです

 

監視


ここですね!また後ほど

 

ユーティリティ

 

ホームオートメーション

 

どうでしょうか
なんだかよくわかりませんね
NASって、、、

 

気を取り直して
ここから今回のメインテーマ 監視ソリューション に入ります

先程の”監視”カテゴリーから ”Surveillance Station” をインストールします


 

実行して、NASと同じパスワードでログインします
わかりにくですが、パスワードの右の矢印がログインボタンです

 

録画データの保存先を指定します。規定のフォルダでも良いですが、

Videoフォルダを作成してみます

 

”Surveillance Station”の操作画面です

 

カメラを登録してみます


ONVIFにも対応していますので、繋がらない場合はカメラが悪いです








録画設定

 

ライセンス管理

ライセンスの追加は簡単です

PayPal決済だとドル建てで格安購入できます。
Amazonで「TurboNAS用カメラ追加ライセンスキー」をキーワードに検索して購入することも出来ます。若干割高です。

どこぞのメーカー様ですと、代理店に注文して → ライセンス証書がメールか郵送されて → 認証(有効化)して → 機器に登録(入力)して
と、くっそメンドクサイ工程を踏む必要がありますが、QNAPならその場で即完了です。

 

このままモニタリングページに移動すれば監視ソリューション開始ですが、毎回QNAPに接続してアプリを起動するのは面倒です。

実際の運用は、最初にパソコンにインストールした ”QVR クライアント” を使用します。

デスクトップに”QVR.exe”というアイコンが作成されているはずですので、そちらを実行します
IPアドレス、ユーザー名、パスワードを入力してOKボタンをクリック

この運用方法だと、NASのネットワーク設定を固定IPにしないと面倒になりますので、ご注意ください。

ダイレクトでモニタリングページにログインします

モニタリングページのURLをお気に入りに追加しておくか、ショートカットアイコンを作成しておけば済む話なんですが、、、

最大64分割

 

こんな感じで監視ソリューションが出来上がります。

今回は”QNAP”を取り上げましたが、機会があれば”Synology” “NETGEAR” “ASUSTOR”についてもテストしたいと思います。